ディズニーのストリーミング事業は、2026年度第2四半期に初めて2桁台の営業利益率、10.6%を達成し、営業利益は88%増の5億8200万USDとなった。 同じ四半期は、ディズニーが加入者数をまったく公表しなかった2回目の四半期でもある。2025年9月にディズニープラス加入者1億3200万人という数字を公表して以降、この開示は取りやめられている。ディズニープラスとHuluを合わせた収益は54億9000万USDに達し、前四半期の11%増から加速して13%増となったが、これは主に2026年10月の値上げによるもので、契約数の伸びによるものではない。以下の数値は、ディズニーの2026年度第2四半期および2025年度の決算開示、ニールセンのMedia Distributor Gauge、Antennaの契約データ、そしてDeloitteの2026年デジタルメディアトレンド調査に基づく。
要点まとめ
- ディズニーのエンターテインメント配信事業の営業利益は、2026年度第2四半期に88%増の5億8200万USDとなった(Disney)
- ストリーミングの営業利益率は10.6%に達し、初めて2桁台となった四半期(Disney)
- ディズニープラスとHuluの収益は54億9000万USDに達し、13%増(Disney)
- 収益の伸びは2026年度第1四半期の11%から第2四半期には13%へ加速(Disney)
- 会社全体の収益は251億7000万USDで、7%増(Disney)
- 調整後EPSは1.57USDで、8%増(Disney)
- 最後に公表されたディズニープラスの加入者数は2025年9月27日時点で1億3200万人(Disney)
- 内訳は米国とカナダで5930万人、その他の国と地域で7240万人(Disney)
- 同時点でのディズニープラスとHuluの合計契約数は約1億9600万件(Disney)
- ディズニープラスPremiumは2025年10月21日に15.99USDから18.99USDへ値上げ(Disney)
- 2026年1月、ディズニーは米国テレビ視聴の11.9%を獲得し、過去1年で最高の月間シェア(Nielsen)
- 2026年5月のディズニーのシェアは10.0%で、13.8%のYouTubeに次ぐ2位(Nielsen)
- プレミアムSVODの加重平均解約率は4.6%で落ち着いた(Antenna)
1. 加入者データの遮断
ディズニーは2026年度第1四半期から、ストリーミングの加入者数の開示を取りやめており、これにより2025年9月時点の数字は単なる一データ点ではなく、恒久的な基準値となっている。最後に開示された数字は、ディズニープラス加入者1億3200万人で、米国とカナダで5930万人、その他の国と地域で7240万人、ディズニープラスとHuluを合わせた契約数は約1億9600万件だった。 この判断は、1年前にNetflixが採った論理をなぞっている。サービスの評価軸が成長ではなく利益率に切り替わった時点で、加入者数は経営陣が投資家に注目させたい指標ではなくなる、というものだ。
| 指標 | 値 | 出典 |
|---|---|---|
| ディズニープラス加入者数(最終開示) | 1億3200万人 | Disney、Q4 FY2025 |
| 米国とカナダの加入者数 | 5930万人 | Disney、Q4 FY2025 |
| その他地域の加入者数 | 7240万人 | Disney、Q4 FY2025 |
| ディズニープラスとHuluの合計契約数 | 約1億9600万件 | Disney、Q4 FY2025 |
| 最終開示の日付 | 2025年9月27日 | Disney |
| 加入者数を開示しなかった最初の四半期 | Q1 FY2026 | Disney |
| ディズニープラス全体に占める米国・カナダの推定比率 | 約45% | Disneyの数値から算出 |
この比率は、開示された2つの地域別数値から単純に算出したものである。2026年のディズニープラス加入者数として出回るいかなる数字も、会社の開示ではなくサードパーティーによる推計モデルにすぎない。業界最大手についての比較情報は、当サイトのNetflix統計を参照。出典:ディズニー2025年度第4四半期および通期決算。
2. 収益と利益率の転換点
利益率こそが、2026年のディズニーのストリーミング事業を語る上ですべてと言っていい。売上高54億9000万USDに対して営業利益5億8200万USDを計上し、10.6%の利益率、利益は88%増、収益は13%増という結果になった。 これはまさに、価格改定が固定的なコンテンツ費用の上に積み上がったときに見られる典型的な営業レバレッジの姿だ。ディズニーは通期のストリーミング営業利益率を少なくとも10%と見込んでおり、この四半期はそのペースを上回った。
| 指標 | 値 | 出典 |
|---|---|---|
| Entertainment DTC収益(Q2 FY2026) | 54億9000万USD | Disney |
| Entertainment DTC収益の伸び | 前年比13% | Disney |
| Entertainment DTC営業利益 | 5億8200万USD | Disney |
| 営業利益の伸び | 前年比88% | Disney |
| 営業利益率 | 10.6% | Disney |
| 前四半期の収益成長率 | 11%(Q1 FY2026) | Disney |
| 通期のストリーミング利益率目標 | 10%以上 | Disney |
| エンターテインメントセグメント収益 | 117億2000万USD、10%増 | Disney |
| サブスクリプションおよび提携料収入 | 78億USD、14%増 | Disney |
ディズニーの決算区分「エンターテインメント直販事業(DTC)」は、ディズニープラスとHuluを合わせたものであり、Sportsセグメントに計上されるESPNのストリーミング製品は含まれていない点に注意。出典:ディズニー2026年度第2四半期決算、同四半期に関するCNBCの記事。
3. 2026年のディズニープラスの料金
価格は今やディズニーのストリーミング成長を支える主要なレバーとなっており、2025年10月の値上げは価格帯の上限に近いほど積極的な内容だった。ディズニープラスPremiumは15.99USDから18.99USDへと一度に19%値上げされ、広告付きプランは9.99USDから11.99USDへと20%値上げされた。 広告付きプランの値上げ幅が広告なしプランよりも比率で大きいという事実は、ディズニーがサブスクリプション料金だけでなく、それらのアカウントに紐づく広告収益も重視していることを示している。
| 指標 | 値 | 出典 |
|---|---|---|
| ディズニープラスBasic(広告あり)、新価格 | 月額11.99USD | Disney |
| ディズニープラスBasic(広告あり)、旧価格 | 月額9.99USD | Disney |
| ディズニープラスPremium、新価格 | 月額18.99USD | Disney |
| ディズニープラスPremium、旧価格 | 月額15.99USD | Disney |
| Huluとディズニープラスの広告付きバンドル | 12.99USD(旧10.99USD) | Disney |
| ディズニープラス、Hulu、ESPN Selectの広告付きセット | 19.99USD(旧16.99USD) | Disney |
| ESPN Select単体 | 12.99USD(旧11.99USD) | Disney |
| 値上げの発効日 | 2025年10月21日 | Disney |
| ESPN Unlimitedバンドルの新規加入者向け改定 | 2026年1月6日 | Disney |
Deloitteの調査によれば、回答者の61%が、月額5USDの値上げがあればお気に入りのサービスを解約すると答えており、これはディズニーがPremiumで実施したばかりの値上げ幅とほぼ同じ規模である。出典:2025年10月のディズニー料金改定に関するVarietyのまとめ。
4. Huluの統合
2026年における構造的な変化は、Huluが独立した製品ではなくなるという点だ。ディズニーは2025年6月にComcastからHuluの完全買収を終えており、2026年中にHuluをディズニープラスへ単一アプリとして統合している最中である。 統合後は単独のHuluアプリは廃止される。加入者数の開示をやめた会社にとって、この統合はまた、外部の人間が両サービスの基盤を切り分ける最後の明確な手がかりも失わせることになる。
| 指標 | 値 | 出典 |
|---|---|---|
| Comcastからのhulu買収完了 | 2025年6月 | Disney |
| 単一アプリへの統合目標時期 | 2026年中 | Disney |
| 単独のHuluアプリ | 移行完了後に廃止 | Disney |
| 移行方式 | 段階的、一斉切り替えではない | Disney |
| 最終開示時点での合計契約数 | 約1億9600万件 | Disney、Q4 FY2025 |
| 両サービスを含む開示区分 | Entertainment direct-to-consumer | Disney |
| ESPNストリーミングの計上区分 | Sportsセグメント(別区分) | Disney |
注視すべき影響が一つある。バンドル化は歴史的に解約率を抑える効果があるため、単一アプリへの強制統合は、実際の利用者行動が変わらなくても、ディズニーが開示する継続率の数字を機械的に改善するはずだ。配信環境に関するより広い文脈は、当サイトのストリーミングデバイス統計を参照。出典:ディズニー2026年度第2四半期決算結果。
5. 画面シェアの行方
ニールセンのMedia Distributor Gaugeは、リニア放送とストリーミングを問わずディズニー傘下のすべての資産を集計しており、会社全体の視聴シェアを定期的に測定できる唯一の独立指標となっている。ディズニーは2026年1月に米国テレビ視聴の11.9%を獲得し、これは過去1年で最も強い月だったが、4月には10.3%、5月には10.0%まで落ち着いた。 この間ずっとYouTubeに次ぐ2位を維持したが、YouTubeのシェアが同じ期間に12.5%から13.8%へ伸びたことで、その差は広がった。
| 指標 | 値 | 出典 |
|---|---|---|
| ディズニーの米国テレビシェア(2026年1月) | 11.9% | Nielsen |
| ディズニーのシェア(2026年4月) | 10.3% | Nielsen |
| ディズニーのシェア(2026年5月) | 10.0% | Nielsen |
| YouTubeのシェア(2026年1月) | 12.5% | Nielsen |
| YouTubeのシェア(2026年4月) | 13.4% | Nielsen |
| YouTubeのシェア(2026年5月) | 13.8% | Nielsen |
| Netflixのシェア(2026年1月) | 8.8% | Nielsen |
| Netflixのシェア(2026年5月) | 8.0% | Nielsen |
| 広告付きテレビ視聴に占めるストリーミングの比率(Q1 2026) | 46.6%(過去最高) | Nielsen |
| 全テレビ視聴に占める広告付き視聴の比率(Q1 2026) | 73% | Nielsen |
この配信元ベースの指標は、ABC、ESPN、FX、ケーブル各局をディズニープラスやHuluと合算しているため、アプリ単体のランキングよりもディズニーに有利な数字になる。出典:ニールセン2026年1月Media Distributor Gauge、ニールセン2026年5月Gaugeレポート。
6. ディズニーの価格戦略が置かれる市場環境
ディズニーの価格決定力は、同社が置かれている解約環境と照らし合わせて初めて意味を持つが、その環境は3年間の不安定な時期を経て2025年に落ち着いた。プレミアムSVODの加重平均解約率は4.6%に落ち着き、カテゴリー全体の加入者成長率は前年の12%から7%へ鈍化した。 これは、純増数を追いかけるよりも、既存の顧客基盤に対して値上げする方が確実な収益レバーとなる市場だということを意味する。Deloitteの調査によると、平均的な契約世帯は4つのサービスを利用し、月間69USDを支出している。
| 指標 | 値 | 出典 |
|---|---|---|
| プレミアムSVODの加重平均解約率 | 4.6% | Antenna |
| カテゴリー加入者成長率(2025年) | 7% | Antenna |
| カテゴリー加入者成長率(2024年) | 12% | Antenna |
| 有料SVODサービスを利用する米国世帯の割合 | 90% | Deloitte, 2026 |
| 契約世帯あたりの平均利用サービス数 | 4つ | Deloitte, 2026 |
| 世帯あたりの月間平均ストリーミング支出 | 69USD | Deloitte, 2026 |
| 少なくとも1つの広告付きプランを利用する加入者 | 68% | Deloitte, 2026 |
| 月5USDの値上げで解約すると回答 | 61% | Deloitte, 2026 |
| 続く値上げにいら立ちを感じている | 73% | Deloitte, 2026 |
カテゴリー全体の詳細は、当サイトのストリーミング解約率統計を参照。出典:Antenna Q1 2026 State of Subscriptions、Deloitte 2026年デジタルメディアトレンド調査。
まとめ: 数字で見るディズニープラス
| 指標 | 値 | 出典 |
|---|---|---|
| Entertainment DTC収益(Q2 FY2026) | 54億9000万USD | Disney |
| Entertainment DTC収益の伸び | 13% | Disney |
| Entertainment DTC営業利益 | 5億8200万USD | Disney |
| 営業利益の伸び | 88% | Disney |
| ストリーミング営業利益率 | 10.6% | Disney |
| 会社全体の収益(Q2 FY2026) | 251億7000万USD | Disney |
| 全体収益の伸び | 7% | Disney |
| 調整後EPS | 1.57USD、8%増 | Disney |
| エンターテインメントセグメント収益 | 117億2000万USD、10%増 | Disney |
| サブスクリプションおよび提携料収入 | 78億USD、14%増 | Disney |
| セグメント合計営業利益 | 46億USD、4%増 | Disney |
| ディズニープラス加入者数(最終開示) | 1億3200万人 | Disney |
| 米国とカナダの加入者数 | 5930万人 | Disney |
| その他地域の加入者数 | 7240万人 | Disney |
| ディズニープラスとHuluの合計契約数 | 約1億9600万件 | Disney |
| ディズニープラスPremiumの価格 | 18.99USD | Disney |
| ディズニープラス(広告あり)の価格 | 11.99USD | Disney |
| ディズニーの米国テレビシェア(2026年1月) | 11.9% | Nielsen |
| ディズニーの米国テレビシェア(2026年5月) | 10.0% | Nielsen |
| 広告付きテレビ視聴に占めるストリーミング比率(Q1 2026) | 46.6% | Nielsen |
| プレミアムSVODの解約率 | 4.6% | Antenna |
| 自社株買い目標(2026年度) | 少なくとも80億USD | Disney |
方法論と出典
- 四半期ごとの収益、営業利益、利益率、セグメント別詳細、EPS、および業績見通しは、2026年5月6日に発表されたディズニーの2026年度第2四半期決算(決算資料、投資家向けIRページ)に基づき、同時期の報道(CNBC、Variety)と突き合わせて確認した。
- 加入者数は、2025年9月27日に終了した四半期を対象とするディズニーの2025年度第4四半期および通期決算発表に基づく(The Walt Disney Company)。
- 料金データは、当時記録された2025年10月のディズニーの料金改定に基づく(Variety)。
- 視聴シェアは、ニールセンのMedia Distributor Gauge(2026年1月、2026年5月)および2026年第1四半期のAd Supported Gauge(Nielsen)に基づく。
- カテゴリー全体の解約率および支出データは、Antennaの2026年第1四半期State of Subscriptions(Antenna)、および2025年10月から11月にかけて実施された、14歳以上の米国消費者3,575人を対象とするDeloitteの2026年デジタルメディアトレンド調査(Deloitte)に基づく。
- データに関する注記: ディズニーはもはや加入者数を開示していないため、1億3200万人という数字は2025年9月時点で固定された基準値であり、四半期を追うごとに古い情報になっていく。他で目にする2026年のディズニープラス加入者数は、いずれも会社の開示ではなくモデルによる推計値として扱うべきである。ディズニーの決算区分「エンターテインメント直販事業(DTC)」はディズニープラスとHuluを合算したものであり、Sportsセグメントに含まれるESPNのストリーミングは除外されているため、単一サービスで開示するNetflixの数字と直接比較することはできない。ニールセンの配信元ベースの指標は、リニア放送網を含むディズニーのすべての資産を集計したものであり、ディズニープラスアプリ単体の利用状況とは異なる尺度である。AntennaとDeloitteはいずれも米国市場のみを対象としている。
- 最終更新日: 2026年7月31日。ディズニーが決算を発表し、ニールセンが新しいGaugeデータを公開するたびに、本記事を四半期ごとに更新する。